学生の頃から好きな小説家さんのひとり、柴崎友香さん。
彼女の小説の面白さは、短い瞬間につめこまれた登場人物たちの心の揺れをあますことなく捉えているところ。主要人物たちの話す人情味あふれる関西弁と丁寧に描写された一瞬一瞬の景色が印象的です。
そんな柴崎さんがウェブでつづっているエッセイ「よう知らんけど日記」は、肩の力が抜けた文体ながら、時に鋭い観察眼で現代をとらえていて毎回感心させられます。
内容は、嫌味や風刺ではなく、ふふってちょっと笑ってしまう仕上がり、なんとなく彼女の作品の主人公を彷彿とさせる自然体な文章がおもしろいです。