[サイト紹介] 観察力の固まりのようなエッセイ「よう知らんけど日記」

Lmaga.jp『よう知らんけど日記』

Lmaga.jp『よう知らんけど日記』

学生の頃から好きな小説家さんのひとり、柴崎友香さん。
彼女の小説の面白さは、短い瞬間につめこまれた登場人物たちの心の揺れをあますことなく捉えているところ。主要人物たちの話す人情味あふれる関西弁と丁寧に描写された一瞬一瞬の景色が印象的です。

そんな柴崎さんがウェブでつづっているエッセイ「よう知らんけど日記」は、肩の力が抜けた文体ながら、時に鋭い観察眼で現代をとらえていて毎回感心させられます。
内容は、嫌味や風刺ではなく、ふふってちょっと笑ってしまう仕上がり、なんとなく彼女の作品の主人公を彷彿とさせる自然体な文章がおもしろいです。

観察眼のするどさ

ゆるい文体でちょっと気がついたことを書いていくといったスタイルのエッセイですが、そのなかにはっとさせられることが意外と多いです。特に彼女の「東京」という街に対する見解が毎回興味深いなーと。

引越しについて

内見楽しいので、今までも結構行ったんやけど、見てて「これがなかったらなあ」と思うことが多くて、「あれがあったら」ってことは意外に少ない。3月☆日 『よう知らんけど日記 白い毛がなくなってた・・・。』

東京という街について

居酒屋で「だし巻き」を頼んでかじったら甘いときに「あ、東京やった…」って思うくらいなんやけど(甘くてもいいから、「だし巻き」じゃなくて「卵焼き」と書いてほしい)、近所の焼鳥屋の壁にジャイアンツのポスターやらカレンダーやらが並んでるのを見て「あー、東京かー…」と久々に思った。3月☆日 『よう知らんけど日記 実はおもろい文豪小説。』

 

(前略)ふつうに生活とか買い物とかするには大阪に限らず地方中核都市ぐらいがいちばん住みやすいと思う。街の中心の近くに住めるし、行きたい場所がコンパクトにまとまってるし、店も広々してるし。今はネットでたいていのもん買えるしね。東京は確かになんでもあるし街もおもしろいけど、いちいち並ばんならんし、物も多いけど人も多いからすぐ売り切れるし、電車も店も混み混みやし、飲食店はせせこましいし、早くにできたせいで意外に駅や公共施設系がぼろいとこが多い(電車とホームの間がめっちゃあいてて落ちそうになる)。で、東京になにがようさんあるかというと、仕事の数と、演劇展覧会の類と、仕事関係の人に会いやすいこと(これは一長一短と思う)、かなあ。やっぱり「仕事」が問題なんやろな。1月☆日 『よう知らんけど日記 寒くてなんもできへん。』

まとめ

彼女の文章を読んでいて、あ、そんなところで「東京」を感じるんだなーって思ったり、地方都市のが住みやすいってたしかにわかる気がするって思ったり。気がついたことを言葉にしていくことで、感覚は研ぎ澄まされるものだとしたら、このエッセイが彼女の作品に詰め込まれる日常エッセンスの源なんだと思います。

しらんけど。

ちゃお!

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よう知らんけど日記。|柴崎友香 | 連載 | 関西を24時間遊べるウェブマガジン『Lmaga.jp』
「東京で暮らす小説家・柴崎友香が大阪弁でぼちぼち綴る、日々のあれこれ。」

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1973年大阪生まれの作家、柴崎友香公式ホームページ

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